スイス人の誇り(スイスドイツ語まとめ)

ではこの奇怪なドイツ語について、スイス人自体はどう考えているのでしょうか?

スイスの国語はスイスドイツ語であり、ドイツ語では無いというのは前述の通り。
つまり、スイス人にとってドイツ語は外国語だとという事を念頭に置きたい。

スイス人は日常生活の中で、常にスイスドイツ語を用いて暮らしています。
友人同士、家族間、母国語ですから何か特別な事例がない限りスイスドイツ語で会話をします。
ただし、それでは暮らしていく上で、いくつかの問題が出てきます。
その最たるものがスイスドイツ語は文字表記出来ないという事です。

話し言葉と書き言葉が違うなんて、なんて不便な!!と思われるかも知れませんが
大阪の新聞は大阪弁でかかれていますか?
スイスドイツ語はドイツ語とはかなり異なりますが、れっきとしたドイツ語方言なのです。
よってスイスの公式の文字表記は基本的にドイツ語です。
公式としたのは個人的な手紙やメールなどはスイスドイツ語の当て字で書かれている場合があるからです。

スイスでは、学校の授業中はドイツ語で会話という様に決められています。
これは教科書がドイツ語表記のため、都合が良いから。という理由があります。


授業中は母国語禁止。そんな馬鹿げたルールが出来たら、人はどうなるでしょう。
ただでさえ面倒な授業、しかも外国語強制。当たり前のようですが

スイス人は基本的にドイツ語が嫌いです


それどころか、高校に通わず職業学校に通うスイス人学生(スイスでは70%を占める)は
ドイツ語が上手に話せない人も多数

そういう方に話を聞くと、ドイツ語話すくらいなら、英語の方がマシという答えが返ってきました。
ただし、読み聞きは完璧なので、相手はスイス語でこっちはドイツ語という会話が成り立ちます。



ただし、ここからは僕個人の考察ですが、スイス人がドイツ語を嫌い、スイスドイツ語に特別な感情を持つのは学校のせいだけではないと思います。

スイスの人口は、2割が外国人労働者といいます。
その他の移民などで、北欧系、中国系、中東系など様々な民族が混ざっているため
「スイス人」という区別は極めて曖昧なもののように思えます。

そんな中、自分はスイスで生まれ、スイスで育ちました。自分はスイス人だ!という
いわゆるアイデンティティー的な役割として話されている言語、
それがスイスドイツ語なのではないでしょうか?
地元言葉を話すことで、外見の違いに関係なく、共通意識を持つ事が出来る訳です。
その裏づけとして、どんなにスイスドイツ語を練習しても
スイスで生まれていない限り、完璧なスイスドイツ語は話せないという事実があります。

よって僕はスイス留学をなされる方にはドイツ語を学ばれることを強く勧めます。
ただし、聞き取る能力は必要です。ただ、話す事はお勧めしません。
なぜなら、中途半端なスイスドイツ語を話すのは
スイス人にとって侮辱ととられる場合もあるからです。

あるスイス人に僕は「スイス人もドイツ語を話すべき」と主張したところ、彼は言いました。
「スイスドイツ語はGeheime sprache(秘密の言語)なのさ。お前は他所のモンだ。
残念だけどドイツ語で我慢しな。」

そう、スイス人にとってスイスドイツ語は誇りなのです。
「こんなのドイツ語じゃない!!」と罵られて、バカにされながらも
「他所モンには分かんねぇよ、この良さは。」とほくそ笑むスイス人を見て
僕は本当に、スイスに来て良かったと思いました。
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by tojyo723 | 2007-07-22 23:24 | スイス


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